テニスラケットの選び方のヒント
ここで上げている選び方、豆知識は一般的なものであって、全てのプレイヤーに当てはまるかどうかはわかりません。
ただ、一般常識でありながら知らない、また誤解をしているプレイヤーは多いと思います。
テニスラケットを選ぶとき、硬い、重い、太いというキーワードにひじょうにネガティブになります。
でもレベルが上がるにつれ、硬い、重い、太い、の必要性を体で感じ始めます。
このページが皆さんの次のラケット選びのヒントとなり、お手伝いになれば幸いです。
フレックス(硬い)について
カタログ上であまり見かけませんが、RAという数値があればそれはフレックス値(フレームの硬さ)の事でラケットの厚み(ワイドボディー)の影響が大きいので比較しにくいですが、20mm前後の厚みで65前後を中心に数値が小さい程柔らかい、大きい程硬いということになります。26mm以上のラケットでは72前後が中心になります。
フレームが硬い=飛ばない、疲れる、故障の元 と良いとこ無しと思われがちです。
よく硬さの説明をバネに例えるのですが、硬いフレームは太くて強いバネ、柔らかいラケットは細くて弱いバネと考えてください。
パワーの無いプレイヤーは太くて強いバネを縮めることができず、そのバネの力を生かせないので、細くて弱いバネ、つまり柔らかいしなりのあるフレームを選んだほうが効果的ということです。
強いバネを縮めることのできるパワープレイヤーは硬いフレームを選んだほうが良いということです。
よく芯を喰ったと言いますが、硬いフレームでファインショットを打った時の感触は最高です。
フレームがしっかりしているので方向安定性も良くなります。
使えればより強い武器になるので、ぜひトライしてみてください。
ウェイト(重い)について
カタログに表示されている重さはストリングを張っていないフレームのみの重さで、最近の相場は300g前後を中心として軽いラケットが280g未満、重いラケットが310g以上です。
パワーの無い人は軽いラケットのほうが早いスウィングができてボールが飛ぶ、疲れない、操作性が良いと良いとこだらけと思われており、重いラケットは敬遠されがちです。しかし実際の試合では軽いからといってブンブン振り回さず、スイートエリアに当てようとして丁寧なスウィングをしていませんか?ということは軽いラケットを使ってもスウィングスピードはあまり変わらないということ。
飛び(ボールスピード)に関して、パワーを表す方程式はスピード×質量です。
要するに同じスウィングスピードなら重いラケットのほうが楽に飛ぶということです。
何故世界のトッププレイヤーは重いラケットを使うのでしょうか?
男子の平均約350g、女子の平均約330g。日本の選手も世界へ挑戦を始めた時から徐々に重いラケットに変わっていきます。
これは個々のプレイヤーにパワーが付いた割合よりも、対戦する相手のレベルやスピードが上がり、その結果ラケットにパワーを求めていると思います。
また、ここ数年で一般女性プレイヤーの使用するラケットの平均重量が260g前後から280g前後と重くなってきています。これも近い理由ではないかと考えます。また重いラケットに変えたことにより、振動や衝撃吸収性も高くなりテニスエルボーも以前と比べて減少しています。
どうですか?重いラケットには魅力が満載です。まずはワンランク重いラケットに挑戦してみてはいかがですか?
グリップ(太い)について
グリップの太さについてですが、一般的に女性はほぼ全員G2もしくはG1、男性でも半分以上のプレイヤーがG2を選んでいるのではないでしょうか。細いグリップのほうが力が入るからなどと会話されているのを良く耳にしますが、それははっきりいって間違いです。
ドアノブがはずれていてドアが開けにくかった経験ないですか?
二人でバットの太いほうと細いほうを持ち、お互いに反対に回そうとしたらどちらが勝つと思いますか?実際にしなくても答えはわかりますよね。適度な太さが無いと力は入らないという事です。
もうひとつ重要なのは、リプレースメントグリップの上に、オーバーグリップの2枚巻きをしているプレイヤーを見かけますが、元のグリップの角度がひじょうにわかりにくく、ラケットのフェイスの向きを体で感じにくくなります。太くしたいなら、元のグリップの8角形をできるだけキープするために適度な太さのグリップサイズを選び、できるだけ余分に巻かないようにするのがベターです。プロがナチュラルレザーをよく巻いているのは、グリップの角が出やすく、手に感触が伝わりやすいからです。
一般的にはストローク中心ではグリップ力を重視して太め、ネット中心では操作性(早いグリップチェンジ)を重視して細目が良いと言われていますが、それにしても男性がG2ではせっかくの握力も生かせないと思います。女性のG1も私共はお勧めしたくありません。
女性の細めG2、太めG3、男性の細めG3、太めG4くらいを目安にしていただきたいです。
そのために購入する前にそのラケットでどんなプレイをしたいのかを考え、グリップの太さもしっかり検討しましょう。そういう思いの元に、プロケネックスのコアーシリーズとコントロールシリーズにはG4,G5の設定があり、パレットシステムにより購入後でもグリップのサイズを変更することができます。
バランスについて
カタログ上でウェイトばっかりに目を取られ、意外と見られていないが、ある意味ウェイトよりも重要かもしれないバランス。
バランスには2種類あり、静止バランスとスウィングバランスがあります。カタログに掲載されているのは大抵静止バランスで、グリップエンドからラケットの中心までの距離で表していてその位置をバランスポイントと呼びます。ラケットのタイプにもよりますが、一般的に310mmを中心にそれよりも数値が低ければトップライト、数値が大きければトップヘビーです。軽いラケット程、トップヘビー設計になっており、野球のバットのようにトップに重心を置いて遠心力でスウィングスピードを上げていきボールを飛ばす方法ですが、慣性モーメントは大きく、最初の振り出しにパワーを必要とします。ウェイトが重いラケットでもトップライトだとスウィングの振り出しは少しのパワーですみます。が質量は軽いラケットよりも上です。ウェイト、静止バランス、どっちを重視する?? こんなときに頼りになるのがスウィングバランス(ウェイト)です。ラケットが実際振られたときの重さの事で、専用のマシーンでg(グラム)表示されます。
軽い⇒重い、大きい⇒小さいなどラケットを変えるときなど同じスウィングバランスのラケットを使用すればボールの飛びやフィーリングが比較しやすいです。
プロケネックスではメーカーで唯一、同じヘッドサイズで重量バランスの違うKi5シリーズ、 Ki15シリーズがあります。試打会でKi5 280(280g 335mm) 295(295g 320mm) 315(315g 305mm)の3種類の重さを伝えずに女性に使用してもらうと、10人中、8人~9人の方が315が一番軽いと言います。体感する重さ(スウィングウェイト)はバランスポイントで大きく変わるのです。
ヘッドサイズについて
フレームの面積の事ですが、現在では100sq/inを中心に大きい、小さいに分かれていると思います。
ヘッドサイズが大きい⇒スイートエリアは広くなりますが、スウィングスピードの早いプレイヤーはボールスピードが出しにくく、コントロール性も悪くなります。スイートエリアを外したときのブレも大きくなります。ネットプレイやサーブ、スマッシュを強化したい女性に向いています。
ヘッドサイズが小さい⇒特性は大きいものと逆になり、スウィングスピードの早い、ボールスピードを上げたいプレイヤーに向いています。但し、スイートエリアは狭いので、練習をしっかりして外さないようにしましょう!
重要ポイント
- ウェイトだけで判断しては駄目。バランスと両方合わせた重さを考えて選ぶこと。
- 硬いフレームは合えば武器になる。
- グリップは手の大きさに合わせて、太目を選ぶ。
- ショップで持ったラケットはテニスコートよりも重く、太く感じることを忘れずに。